はじめに
2018年5月1日、「企業アートギャラリー構築コンソーシアム」を発足いたします。
発足の趣旨は、“同時代を生きる美術家への継続的な支援と経営者の方々に文化・芸術の真の力を企業活動において生かしていただくこと”です。
世におびただしく存在する画家、彫刻家などの美術家はあくことなく制作を続けています。しかし、美術市場における需要と供給のバランスは極端な供給過剰であり、美術館、街中の画廊、個人宅に展示されて人の目に触れる作品はほんの一部です。多くの美術作品が、作家のアトリエや倉庫に、ひっそりと眠っています。これらの作品の中には鑑賞者に感動と喜びを与えてくれるものがたくさんあるはずです。
一方、企業は美術家が求めてやまない展示壁、鑑賞者、そして制作費用という素晴らしい資源を提供できる心強い存在です。しかし、自分たちが文化・芸術に大きな貢献ができることにはそれほど気がついていません。
美術作品は、社員が働く空間、お客様をお迎えする空間を感性豊かで創造的なものに変える力を内に秘めています。企業アートギャラリー構築コンソーシアムへの参加によって、企業には一つ目の絵画、彫刻などの美術作品をしっかりとした目的を持って導入する道が開かれます。これが社内の壁を総合的に活用する「企業アートギャラリー」への第一歩となるのです。
私たちは、本コンソーシアムに集う人々の交流が、日常的な「人と美術の出会いの場」を提供する原動力になると考えています。「アート」や「美」について臆することなく語れる経営者と、社会から力強く支えられているという実感を持って制作活動に邁進できる美術家が数多く現れる文化基盤の確かな社会づくりを目指していきます。
企業経営者の皆様方、有志の皆様方には、コンソーシアムの設立趣旨をご理解の上、文化的・創造的な社会作りへの一助を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
平成30年3月吉日 発起人一同
1. コンソーシアム設立の趣旨
1.同時代を生きる美術家への継続的な支援を行う。
同時代を生きる意欲・才能ある美術家の発掘、継続的な制作活動への支援、広汎な作品発表の場の提供を行うことにより、一人でも多くの現役作家を支え、勇気づけ、日本の文化・芸術の発展に寄与する。
2.文化・芸術の真の力を企業活動に活用する。
社員がのびのびと仕事をし、大切なお客様をお迎えする質の高いスペースづくりと革新を求める風土づくりにアートの力を活用する。そして、コンソーシアムにおける企業間交流を活性化し、文化・芸術の力を企業活動に生かすベストプラクティスを共有する。
☆ コンソーシアムが日常的な「人と美術の出会いの場」を提供する原動力となる!
3.コンソーシアム会員が得られるもの : アートの力を経営に取り込む!
4. 作品提供作家の要件と拡充
① 継続的な制作活動を続けている現役作家(絵画、彫刻、書、写真、映像、工芸など)
② 本コンソーシアムの理念に賛同いただける作家
③ 作品及び作品資料(制作理念、作品説明など)の提供に前向きな作家
④ コンソーシアム立ち上げ時の作家構成
まずは、(株)システムアリカ アートジョイの法人向け大型アート(絵画・彫刻)レンタルプログラムに
作品を提供しているパートナー作家で構成します。
⑤ 作家の拡充
その後の作家構成はコンソーシアムの拡大に合わせ、発起人及びコンソーシアム会員からの
推薦等もいただきながらさらに充実させていきます。
2019年8月現在
分野 人数 |
日本画 38 |
油彩画 23 |
ミクストメディア 46 |
版画 13 |
書・水墨画 5 |
写真 4 |
彫刻 10 |
工芸 15 |
その他 5 |
合計 159 |
5. アートセミナーの概要
「講義のタイトル」と講師 | 講師からのメッセージ |
ステージ1 : アートの手ほどき いずれか1時間 | |
「時間を生け捕る」 萩原朔美 映像作家 前橋文学館館長 多摩美術大学名誉教授 |
人は目に見えない時間をどのように表現してきたのだろうか。絵画、写真、映画、ビデオなどの作品から探ってみる。自作の定点観測写真も参考にしたい。 |
「芸術の起源神話」 谷川渥 批評家 美学 「形象と時間」「鏡と皮膚」 「美学の逆説」他 著書多数 |
芸術の起源については様々な説があるが、実証的な議論ではなく、それが神話論的にどのように語られてきたかを多数の具体例を示しながら考察したい。 講義シリーズ「美術史を美学する」の第一弾。 |
「感性と言葉 –生きるための芸術の力–」 大嶋彰 美術家 教育学 立教大学 文学部特任教授 |
現代社会は創造性がキーワードのように語られている。しかし、創造性そのものが問題となる芸術について語ろうとすると、意外とその構造的言語を持つことが難しい。それはまた、永らく日本人の弱点とも言われてきた。本セミナーでは、恣意性と必然性からなる言葉の矛盾と感性との関係から、創造性が生きることそのものであると捉えたい。生きている組織とは、おそらくこのような芸術のあり方とパラレルであると思われるからである。 |
「見えることと感じること」 大橋紀生 美術編集者 元美術手帖編集長 |
見えるものをそのまま写し取りたいという欲求が写真術を生み、その「写真」の発明が視覚世界を大幅に拡大した。見えるものを写し物語る絵画から、身体が感じ取ったことを見える形にする絵画へ。それは、絵画上の展開ばかりでなく、人がものごとを認識する行為に多大な影響を与え、社会的な変容を強いることになる。作例を挙げながら、お話したいと考えています。 |
「絵画表現に見る日本人の色彩感覚」 木嶋彰 美術家 拓殖大学工学部教授 |
日本の言語、建築、生活などに垣間見られる文化的特性を「連続性」として取り上げ、事例を参照しながら絵画に表出した日本人の色彩感覚について論考します。 その際、以下の2項との関係から考察を進めます。 1.日本の伝統文化が育んできた染め、墨、岩絵の具などがもつ色材の光学的特性 2.光を受け入れる眼の仕組みと風土色 |
ステージ2 : 至近距離で芸術を楽しむ いずれか45分 | |
「クラシック音楽の様々な楽譜たち」 三瀬俊吾 ヴァイオリニスト |
楽譜に書かれているものは、ただの音符ではありません。作曲家からの、言葉にならないたくさんのメッセージが、楽譜の中に散りばめられています。 それは、すぐには理解できないほど複雑なものもありますが、謎解きができればとても面白く興味深いものです。様々な時代、国の楽譜をご紹介します。 |
「ポエトリー・リーディング」 大島健夫 詩人 |
ポエトリー・リーディングは、人類が編み出した、最も道具に頼らない、そして最も古いアートフォームのひとつです。用いられるものはただ声と、朗読されるための詩の言葉のみであり、時にはそれさえも必要とはされません。また、受け手の楽しみ方にもいかなる制限もありません。シンプルで自由で豊かな、ポエトリー・リーディングの世界へご案内します。 |
6.コンソーシアムへの参加要件と年会費
① 参加要件
本コンソーシアム設立の趣旨にご賛同いただける企業、団体および個人
② 年会費
一口 8万円(税別) 一口以上 銀行振込の一括払い
* 既に、法人向け大型アート(絵画/彫刻)のレンタルプログラムをご採用されていて、
現役作家へのご支援をいただいている会員さまには会費の特典を用意いたしますので個別にご相談ください。
③ 年度更新(8月〜翌年7月)
7月末に自動更新となります。
* 次年度更新を望まない場合は、7月15日までにご連絡ください。
7.コンソーシアム会員のオプション(権利)・特典
会員のオプション(権利) | 特典の詳細 |
1.大型アート(絵画/彫刻) レンタルの導入+提案 |
・ 経営層へのインタビュー ・ 展示候補場所の撮影と壁サイズの確認 ・ 展示候補場所への作品画像合成のよるビジュアルなご提案 |
2.出張アートセミナーと交流会 ※1 | 年1〜2回予定 お一人様ご招待 (代理出席可 お二人目から有料) |
3.ガイド付団体展ツアー | 年数回予定 入場券1枚 (2名入場可 代理出席可) 新制作展 創画展 等の主催者と連繋 |
4.出張アート・ワークショップ | デッサンや課題作品の制作など 感性を刺激する豊富なプログラム |
5.アートナビ・ギフト | お薦め図書 年1冊以上 お届け テトツチト陶芸品 年1作品 お届け |
6.季刊誌 Art Fragments | 年数回予定 3部以上/回 お届け |
7.アリカ・アートジョイでの作品購入 arika-artjoy.com |
Webでご確認いただけるすべての作品を販売価格の10%引きでご提供いたします。 |
※1アートコンソーシアム会員様向けの「企業向け出張アートセミナー」の開催サービスです。お客様社内で実施。自由な日時、参加人数をお決めいただけます。詳しくはお問い合わせ下さい。
発起人
<美術・芸術関連>
萩原朔美 映像作家・演出家 多摩美術大学名誉教授 前橋文学館館長
谷川渥 美学者 著書に「形象と時間」、「鏡と皮膚」、「美学の逆説」、他多数
大橋紀生 美術編集者 元美術手帖編集長
石井博康 美術家 東北芸術工科大学名誉教授 元副学長
木嶋彰 美術家 拓殖大学工学部教授
坂本紀男 音楽家 東京音楽大学名誉教授 元副学長
三瀬和朗 作曲家 桐朋学園大学名誉教授 OTOの会会員
<企業関連>
由利孝 テクマトリックス株式会社 代表取締役社長
牧田和也 JBS 日本ビジネスシステムズ株式会社 副社長
冨山和彦 株式会社経営共創基盤 代表取締役 CEO 経済同友会副代表幹事
村重嘉文 経営コンサルタント 元あさひ銀行取締役 元りそな総研代表取締役
中村章 株式会社システムアリカ代表取締役社長 元日産自動車株式会社主管
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美術担当 新山光隆