植田一穂
慣れ親しんでいる「日本画」という表現は、明治期に「西洋画」の対概念として位置付けられたものだ。しかしその対概念の消滅が、自らの表現の多様化による発展を促すようになった。急激な変容ゆえの荒さが目につくこともしばしばだが、植田作品には純粋な美しさを感じることができる。
写実に寄り過ぎるわけでなく顔料そのもの良さを生かした描画は伝統技術と言える。幻想的な情緒を漂わせ輝く草花は現代の表象として、伝統と変革の狭間で作品が生み出されたものだ。
作家の美意識によって「そぎ落とされた表現」が、日本画の特殊な事情を乗り越えていく様をみているのかもしれない。
1961 広島県生まれ
1987 東京藝術大学大学院美術研究科日本画修了(修了制作同大買い上げ)
1993 第12回山種美術館賞展
1996 第23回創画展創画会賞受賞(’97,’01,’03)
2008 第4回東山魁夷記念日経日本画大賞展
2010 第17回MOA岡田茂吉賞絵画部門・MOA美術館賞受賞
個展・グループ展多数
現在 創画会会員・東京藝術大学美術学部教授
杜の都・仙台ゆかり : ーーーー
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