小松崎広子
作家の言葉
作家の言葉 小松崎広子
重力は垂直に画面を落ちる
「空間」と私たちが呼んでいるところは、実は、空気というある濃度をもった物質がつまったところなのです。人工光線のほとんどない、広く見渡せるようなところに立つと、空気も地表も、人間の五感のすべてで感じとるような体験をします。
さて、私はできるだけ少ない、それも人間の原初的な要素に還元して、絵画の原点を探る仕事を続けてきました。その時、視覚だけに頼らない世界の在り方を考えるようにしています。
自明のことですが、キャンバスという支持体は、平らで垂直に壁にかけられるという、絵画だけの形式を持っています。このことはとても重要な意味をもっているのです。
地表の空気のかたまりは、地球の中心に向かって垂直に画面を落ちるからです。
画家 小松崎広子
(2007年 ART FRAGMENTS 2号より)
「空間」と私たちが呼んでいるところは、実は、空気というある濃度をもった物質がつまったところなのです。人工光線のほとんどない、広く見渡せるようなところに立つと、空気も地表も、人間の五感のすべてで感じとるような体験をします。
さて、私はできるだけ少ない、それも人間の原初的な要素に還元して、絵画の原点を探る仕事を続けてきました。その時、視覚だけに頼らない世界の在り方を考えるようにしています。
自明のことですが、キャンバスという支持体は、平らで垂直に壁にかけられるという、絵画だけの形式を持っています。このことはとても重要な意味をもっているのです。
地表の空気のかたまりは、地球の中心に向かって垂直に画面を落ちるからです。
画家 小松崎広子
(2007年 ART FRAGMENTS 2号より)
長年にわたって絵画の根本要素の一つ、ドローイングに的を絞って探求を続けている作家。
2000年代からは淡いオレンジからピンクへの乙女の肌のような地の上に全身全霊を注ぎ込んだ空気の流れや空間の動きを描く作品群を精力的に発表している。
日本の現代美術のまっただ中で活動しながら、常にその先を見据える仕事からは目を離すことができない。
1935年 長野県生まれ
1957年 信州大学教育学部修了
1979年 渡米
2004年 モダンアート協会退会
杜の都・仙台ゆかり : ーーーー
☆ 表示価格は税込です。
☆ 納期は入金確認後のめやすです。