小鶴幸一
作家の言葉
作家の言葉 小鶴幸一
対比的な構造の中で
パリに居た頃、何度か試みながら思うような形にならなかったグリッドによる構成が、日本に帰国し、2000年を過ぎた頃からなんとか形になり始めた。グリッドと色面。どちらも均質な表面だが、視線の受け止め方の異なるこの二つの要素が同一平面上でどう対比しあい、共存できるのかを探っている。曲線が自然の意志の象徴だとしたら、直線は人間の意志の象徴だろう。そして直線も曲線も神の意志へと収斂されていくのだろう。相変わらずダイレクトな線と色面だけが織り成す平面の在り様を追い求めていることに変わりはない。
日本の“わび”や“さび”よりも“粋”でありたいし、単純というよりは、明快という意味のシンプルな作品でありたいと願っている。そうして表現されたものは、私の言葉や思惑を常に超えたものであって欲しいものだ。
美術家 小鶴幸一
弊社発行「ART FRAGMENTS」2011年4-5月号掲載
パリに居た頃、何度か試みながら思うような形にならなかったグリッドによる構成が、日本に帰国し、2000年を過ぎた頃からなんとか形になり始めた。グリッドと色面。どちらも均質な表面だが、視線の受け止め方の異なるこの二つの要素が同一平面上でどう対比しあい、共存できるのかを探っている。曲線が自然の意志の象徴だとしたら、直線は人間の意志の象徴だろう。そして直線も曲線も神の意志へと収斂されていくのだろう。相変わらずダイレクトな線と色面だけが織り成す平面の在り様を追い求めていることに変わりはない。
日本の“わび”や“さび”よりも“粋”でありたいし、単純というよりは、明快という意味のシンプルな作品でありたいと願っている。そうして表現されたものは、私の言葉や思惑を常に超えたものであって欲しいものだ。
美術家 小鶴幸一
弊社発行「ART FRAGMENTS」2011年4-5月号掲載
美大卒業後、18年間パリで制作活動を続けた後、帰国。青、緑、赤、白、黒に限定した色面とグリッドによって作品を構築している。極端に制限した絵画言語の組み合わせが想像もつかないほどの豊かな広がりある世界を生み出す。対比、ずれ、共存、重なりその奥深さが作品の魅力である。
1948年 福岡県生まれ
1972年 武蔵野美術大学油画科卒業
1974年 渡仏、パリ国立美術大学留学
1985年 サロン・ドートンヌ会員、カーニュ・シュル・メール国際展審査委員賞
1991年 パリより帰国
1995年 JT日本たばこ本社壁画制作
■コレクション
フランス国立現代美術基金(FNAC,フランス)、パガーニ財団美術館(ミラノ、イタリア)、JT日本たばこ産業本社、ニッセイ総合研究所などに所蔵他、フランス、イタリア、アメリカ、スウェーデン、ブラジル、日本などに個人コレクション
杜の都・仙台ゆかり : ーーーー
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