丸田恭子
作家の言葉
作家の言葉 丸田恭子
ストーンと
「制作に向う前の何か特別な儀式みたいなものはある?」と聞かれる事がある。特にこれといったものはないなあと思ったけれど、最近アトリエの中を歩きながら手を叩いていることがある。でもこれはたまに制作中にも行う事があるので、制作前の儀式とは言いがたいかもしれない。
とにもかくにも、できるだけ心も体もリラックスさせて画面に向い、手を動かしドローイングに身をまかせることからすべてが始まる。
どちら側にも傾かない真ん中にストーンと心の重心が落ちた時、初めて画面と一体になれる。しかしこれがなかなかむずかしい。処理しなければいけない事柄が頭の隅を占領し、昨夜のパーティーの風景や言葉が頭の中をよぎる。感情に流されることなく、何ものにも束縛されない完璧な自由が獲得できた時、魅惑的で厳しくダイナミックなそして優しい線が形が生まれてくる。まるで私自身がそうあるべきだとでも教えてくれるかのごとく。
画家 丸田恭子
(2008年 ART FRAGMENTS 4号より)
「制作に向う前の何か特別な儀式みたいなものはある?」と聞かれる事がある。特にこれといったものはないなあと思ったけれど、最近アトリエの中を歩きながら手を叩いていることがある。でもこれはたまに制作中にも行う事があるので、制作前の儀式とは言いがたいかもしれない。
とにもかくにも、できるだけ心も体もリラックスさせて画面に向い、手を動かしドローイングに身をまかせることからすべてが始まる。
どちら側にも傾かない真ん中にストーンと心の重心が落ちた時、初めて画面と一体になれる。しかしこれがなかなかむずかしい。処理しなければいけない事柄が頭の隅を占領し、昨夜のパーティーの風景や言葉が頭の中をよぎる。感情に流されることなく、何ものにも束縛されない完璧な自由が獲得できた時、魅惑的で厳しくダイナミックなそして優しい線が形が生まれてくる。まるで私自身がそうあるべきだとでも教えてくれるかのごとく。
画家 丸田恭子
(2008年 ART FRAGMENTS 4号より)
渦、流線、螺旋などを基調に、 不思議な波動を放ちながら、矛 盾も取り込み矛盾する世界を展開。 情緒や感傷性にいっさい偏らな い透明で硬質な線や形態は骨太 でダイナミックな絵画空間を現 出させている。比較的小画面に おいても、また超大型の画面に おいても一切躊躇のないストロ ークワークは比類無き画家とし ての力量を余すことなく観るも のに示す。私たちは丸田恭子の 作品を見る時に絵画の絵画たる 醍醐味のひとつを最も純粋な形 で体験することになるだろう。
1978年、明治薬科大学卒業
1982 ~87年うち2年間渡米アートスチ ューデントリーグオブニューヨー クで学ぶ。
「VOCA展」「現代日 本絵画の展望展」など、国内外で グループ展、個展多数
杜の都・仙台ゆかり : ーーーー
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