大嶋彰
私は抽象絵画を描き続けています。その理由を考えると、絵画の描くべき目的や対象とされる「意味」は、描くことそのものの〈行為〉からしか現れないという単純な理由になります。しかし、単純であるがゆえに、かえって抽象絵画を分かりにくいものにしてしまっているようです。なぜなら、絵を描く前にその規範となる「本物」や「掟」や「法則」があるはずだと暗黙のテンプレートにすっかり依存してしまう、このことが人間の最も厄介な矛盾だからなのです。昨今の悲惨なDVや官僚の忖度などをみるにつけ、たまたま与えられたテンプレートがあまりに絶対的なものになってしまうことに驚愕します。躾と称した掟が幼い命を奪い、無意識の権力作用があってはならない改ざんを作り出してしまいます。
しかし、タッチ一つでテンプレートは崩れるのです。イノベーションのシーズはそこから初めて生み出されるのでしょう。絵画とは本来、実に不思議で楽しいものなのです。
画家 大嶋彰 (ART FRAGMENTS 58号より)
この作家は教育の専門家でもあります。何かの思い込みを消すことで、新しい楽しいことが引き寄せられるのではないかという挑戦を、教育と芸術の間で繰り返しています。
作品は、普段折りたたまれて意識しないイメージや感情が、ギャザーを開くように出て来て欲しいという思いが込められているそうです。そのワクワク感と何が出てくるか分からない好奇心が制作の動機となっています。
制作前に作者のイメージが存在するのではなく、完成後にイメージが現れるように描かれています。作者にも分からないものが見たいために、作品が存在するようです。
アートジョイ作家インタビュー
1951 新潟市出身
1977 東京芸術大学大学院 修了
1993-'94 文化庁芸術家在外研修員
(ペンシルヴェニア大学大学院客員芸術家)
主な個展(2000年以降)
2004 アートフロントギャラリー(東京)
2009 海岸通ギャラリーCASO(大阪) 協賛:(株)住友倉庫
2010 京王プラザホテル・ロビーギャラリー(東京)→'12, '14, '16, '18
主なグル−プ展(2000年以降)
2000 「越後妻有アートトリエンナーレ2000」(新潟)→'03
2005 「A・I・D・A展」 比良美術館(滋賀)→'06
2008 「表層の冒険者達―2008」展 ギャラリーいしだ(東京)
2009 「表層の冒険者達―Vol.4」 海岸通ギャラリーCASO(大阪)
2017 「表層の冒険 抽象のアポカリプス」谷川渥企画
片柳学園ギャラリー鴻(東京)→'19
2017 「八色の森の美術展2017」 池田記念美術館(新潟)→'18
2018 「ラスト接点」 埼玉県立近代美術館一般展示室(埼玉)
その他国内外にて個展・グループ展多数
杜の都・仙台ゆかり : ーーーー
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