千葉照子
作家の言葉
作家の言葉 千葉照子
「庭の景」
池の瀬に置かるる石と石の間を背鰭覗かせ鯉泳ぎゆく
日本の庭園は面白い。石の傾きや、石と石との重なり、池の曲線、橋のアーチ、燈籠の高さなど、歩むごとに庭の見え方は違ってくる。 そして四季折々、表情を変えることは言うまでもない。それは、想像の域を超える。
永平寺裸足の僧ら修行せり雪崩の響ける道元降誕の日に
降雪の中、永平寺から一乗谷朝倉氏遺跡の庭園へと向かう。途中から更に雪深くなる。この辺りではないか、とタクシーは止まった。 一面雪の中、除雪車一台とそれを運転する人ひとりが遠くに見える以外、人影は無い。タクシーを降りて、橋を渡ると、庭園の門は開いているが、 腰まで積もる雪の下に、庭は見えない。壮絶な雪の景に出会った。私はこの先、大雪の一乗谷に来ることはあるだろうか。
信長の焼き討ちしたる一乗谷人居らず雪しづかに降れり
美術家 千葉照子
池の瀬に置かるる石と石の間を背鰭覗かせ鯉泳ぎゆく
日本の庭園は面白い。石の傾きや、石と石との重なり、池の曲線、橋のアーチ、燈籠の高さなど、歩むごとに庭の見え方は違ってくる。 そして四季折々、表情を変えることは言うまでもない。それは、想像の域を超える。
永平寺裸足の僧ら修行せり雪崩の響ける道元降誕の日に
降雪の中、永平寺から一乗谷朝倉氏遺跡の庭園へと向かう。途中から更に雪深くなる。この辺りではないか、とタクシーは止まった。 一面雪の中、除雪車一台とそれを運転する人ひとりが遠くに見える以外、人影は無い。タクシーを降りて、橋を渡ると、庭園の門は開いているが、 腰まで積もる雪の下に、庭は見えない。壮絶な雪の景に出会った。私はこの先、大雪の一乗谷に来ることはあるだろうか。
信長の焼き討ちしたる一乗谷人居らず雪しづかに降れり
美術家 千葉照子
いまの私の創作は、視たことがない多層の空間の実現を図ることにある。筆を使うこと自体が作為に満ちる。多数の筆触にまみれて印象が消散しないように、筆触を最少限にし、筆触の存在を際立たせる。白色の絵具を含ませて水張りの筆遣いをし、実際に水張りをして完成とする。水張りという目的を持った行為なのに、その筆跡は作為の表象として現れる。ドリッピングも然り、作為の印である。作業を作意として選ぶことすら、作為なのだろう、「創作する」ということは。
1974年 千葉県に生まれる
1998年 多摩美術大学絵画科卒業
現在 無所属
《個展》
ギャラリーゴトウ、青樺画廊、ギャラリー52、ギャラリー四門
《グループ展》
キリン コンテンポラリー・アワード 1998奨励賞(キリンアートスペース原宿、キリンプラザ大阪)、第3回アート公募'99奨励賞(新木場SOKOギャラリー)、第10回関口芸術基金賞展(柏市民ギャラリー)、第4回アート公募2000画廊賞(新木場SOKOギャラリー)、第1回豊橋トリエンナーレ(豊橋市美術博物館)、第2回豊橋トリエンナーレ(豊橋市美術博物館)、表層の冒険者たち展(ギャラリーいしだ)、横浜アート&ホームコレクション(横浜ホームコレクション/横浜美術館監修)、apple展(アートスペース羅針盤)、日本の“いろ”展( ギャラリーB)
杜の都・仙台ゆかり : ーーーー
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