越畑喜代美
作家の言葉
作家の言葉 越畑喜代美
「季節を遊ぶ」
昨秋、思い立って自然農に手を出してみた。作物を作る場所を固定し以後耕さず、刈り取った草は土に被せ無肥料無農薬で野菜を育てるのだ。私が怠け者なので春から夏は草ぼーぼーになっている。『ぼーぼー畑』と呼んでいる。土は正直で、草をこまめに乗せた処は働き者の微生物がせっせと耕してくれてふんわりとしてくる。裸のままにしてある処は棒を突き刺しても固い層に阻まれる。ふんわり土に種を蒔くとわりあい早く育ってくれるが、施肥された畑に比べるととても時間がかかる。そのゆっくり加減が私には丁度いい。
ここには、私が描きたくなる植物が沢山生えて来る。いわゆる雑草だ。虫も沢山やって来て、草を食べ、他の虫に食べられ、食べている。畑は食事の場でもある。カマキリの行動に気を取られているうちに日が暮れて、ちょっとだけ穫れた野菜と時々スケッチのネタを持って家に帰る。季節ごとに遊び相手が変わることも面白い。
画家 越畑喜代美
(2011年 ART FRAGMENTS 26号より)
昨秋、思い立って自然農に手を出してみた。作物を作る場所を固定し以後耕さず、刈り取った草は土に被せ無肥料無農薬で野菜を育てるのだ。私が怠け者なので春から夏は草ぼーぼーになっている。『ぼーぼー畑』と呼んでいる。土は正直で、草をこまめに乗せた処は働き者の微生物がせっせと耕してくれてふんわりとしてくる。裸のままにしてある処は棒を突き刺しても固い層に阻まれる。ふんわり土に種を蒔くとわりあい早く育ってくれるが、施肥された畑に比べるととても時間がかかる。そのゆっくり加減が私には丁度いい。
ここには、私が描きたくなる植物が沢山生えて来る。いわゆる雑草だ。虫も沢山やって来て、草を食べ、他の虫に食べられ、食べている。畑は食事の場でもある。カマキリの行動に気を取られているうちに日が暮れて、ちょっとだけ穫れた野菜と時々スケッチのネタを持って家に帰る。季節ごとに遊び相手が変わることも面白い。
画家 越畑喜代美
(2011年 ART FRAGMENTS 26号より)
越畑喜代美は身近な草花や野菜、里山の風景などを独特の風合いで制作している。柔らかく、優しいタッチに観るもの誰もが懐かしい暖かい気持ちに満たされる。しかし、制作の態度はその画面とは裏腹に頑固一徹と言っても良いだろう。けしてぶれることのない画家の美意識を通して描かれる世界は、一瞬の季節の現象の中にひそむ永遠の回帰をほの見せる。
1960 神奈川県川崎市生まれ
1986 多摩美術大大学院美術研究科修了
1989 グループ展開始
LABO(今年23回目)Vivle (香染美術など)紫陽花展(横浜女流画家のグループ 岩崎ミュージアム)川崎平和美術展(アートガーデンかわさき)日韓美術交流展(川崎,富川)柴田悦子画廊、佐藤美術館、あーとじょい、Art Do 、香染美術、 栗原画廊,、シルクランドギャラリー、ギャラリー華沙里、全国の百貨店等多数
1996 個展開始
ギャラリー華沙里(新百合ケ丘)、ギャラーイセヨシ(銀座)、タケダエキジビットハウス(鎌倉)、柴田悦子画廊(銀座)、鶴見画廊(横浜)、弘文堂(弘文堂)、三彩洞(甲府)立山画廊(富山)他多数
杜の都・仙台ゆかり : ーーーー
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