増田沙織

作家の言葉
作家の言葉 増田沙織
「空の上下」
私の生まれ育った町は、桜の名所として知られる土手が売りの、田んぼに囲まれた長閑な町でした。田に水が入る時季、夕刻の空と大きな送電線がこの水鏡に大写しになるのが好きで、自転車に乗りながら、飽くことなく、足元に広がるその光景に見惚れていました。
夜は足元が溶けそうなほど暗く、空を見上げるとまるで重力が反転してしまったかのような浮遊感を覚え、遠くの星に向かって飛んでいるような感覚を楽しみました。
幼い頃、宇宙飛行士になりたかった夢は今、手の届かない空の果ての果てを自分の目と手で描き、たぐり寄せることに代わりました。
作品制作にあたっては、空の果てという形のないものを、絵画という形で現実のものとして表すことで、この感覚を常のものにしたいと試行錯誤しています。精神的な開放感がもたらす、健全で素直な感覚を忘れないようにしたいと考えています。
美術家 増田沙織
私の生まれ育った町は、桜の名所として知られる土手が売りの、田んぼに囲まれた長閑な町でした。田に水が入る時季、夕刻の空と大きな送電線がこの水鏡に大写しになるのが好きで、自転車に乗りながら、飽くことなく、足元に広がるその光景に見惚れていました。
夜は足元が溶けそうなほど暗く、空を見上げるとまるで重力が反転してしまったかのような浮遊感を覚え、遠くの星に向かって飛んでいるような感覚を楽しみました。
幼い頃、宇宙飛行士になりたかった夢は今、手の届かない空の果ての果てを自分の目と手で描き、たぐり寄せることに代わりました。
作品制作にあたっては、空の果てという形のないものを、絵画という形で現実のものとして表すことで、この感覚を常のものにしたいと試行錯誤しています。精神的な開放感がもたらす、健全で素直な感覚を忘れないようにしたいと考えています。
美術家 増田沙織
作家は風景の中に人の姿を見るようになったと言い、制作しているのは具象画と語っている。作家がイメージする身体的な感覚あるいは情感を、風景から通し見るような感触がある作品だ。余計なものがなく、とても澄んだ印象を受けて心地がいい。
風景画の源流に山水図を持つ日本では、自然美というより表現主義的な作品が早くから作られた。観る側にも受け入れ易い表現であることが、作家の意識する精神性や感覚と相性よく、作品の純粋さを伝えているようだ。
1986 埼玉県生まれ
2008 武蔵野美術学園造形芸術科日本画専攻研究課程修了
新生展入選 (新生堂/南青山)
2009 春季創画展入選(10’、15’)、
創画会 東京研究会第13 回夏の会(ギャラリー青羅/銀座)
2010 個展(ギャラリーなつか/銀座)
2011 個展(K’s ギャラリー/銀座)
2012 個展(アートスペース88/国立)、個展(ギャラリー子の星/代官山)、個展(ギャラリーなつか/ 京橋)、
2013 未来抽象芸術展( 全労災ホール/新宿)
2014 個展(マキイマサルファインアーツ/浅草橋)、
新世代への視点2014(ギャラリーなつか/ 京橋)
2015 新生絵画賞展 入選(新生堂/ 南青山)、
他, 多数
杜の都・仙台ゆかり : ーーーー
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