織田梓
作家の言葉
作家の言葉 織田梓
「原風景」
父が洋画家だった関係で、絵を描くという事は食事をとると同じ位、日常的な事でした。長野の山に川に遊び、その後いろいろな場所で時を重ねていくと、自身の中に否定と愛しさが混在した「原風景」が広がっておりました。何か、ずっと感じていた土や風のにおいと共に…
それを、岩やガラスの粉などを和紙に膠で定着させていく「日本画」という平面絵画で表現してきましたが、最近になって一筆一筆絵の具を重ねていく「日本画」と私との間にズレが生じ、もっとスピード感がある墨やカラーインクを用い、水の中で色分解していくインクのハプニング性などにときめき…それも気がすんで、また「日本画」が恋しくなってまいりました。
これからは、俳句の様な削ぎ落とされた文字の行間をいかに描くか、という所で、私がいてもいなくても変わらず流れて行く時間や行われていく命のリレーの一瞬を切り取り、ずっと描いていけたら嬉しいなあと切に願っております。
画家 織田梓
(2013年 ART FRAGMENTS 33号より)
父が洋画家だった関係で、絵を描くという事は食事をとると同じ位、日常的な事でした。長野の山に川に遊び、その後いろいろな場所で時を重ねていくと、自身の中に否定と愛しさが混在した「原風景」が広がっておりました。何か、ずっと感じていた土や風のにおいと共に…
それを、岩やガラスの粉などを和紙に膠で定着させていく「日本画」という平面絵画で表現してきましたが、最近になって一筆一筆絵の具を重ねていく「日本画」と私との間にズレが生じ、もっとスピード感がある墨やカラーインクを用い、水の中で色分解していくインクのハプニング性などにときめき…それも気がすんで、また「日本画」が恋しくなってまいりました。
これからは、俳句の様な削ぎ落とされた文字の行間をいかに描くか、という所で、私がいてもいなくても変わらず流れて行く時間や行われていく命のリレーの一瞬を切り取り、ずっと描いていけたら嬉しいなあと切に願っております。
画家 織田梓
(2013年 ART FRAGMENTS 33号より)
長野の豊かで濃い自然の中ではぐくまれた感性を、溢れるように画面に注ぎ込む。その制作姿勢は、頑固なまでに揺るぎなく一貫している作家である。
野山に人知れず生い茂る植物や季節の移り変わり、生き死にを繰り返す小さな虫・・・そんなモチーフにささげる「愛」は画面をおおらかに、時には熱く包み込む。同時にそれは岩絵の具や和紙、膠、あるいは墨や水といった絵画の材料にもまったく等価に与えられているのだ。
そうして仕上がった作品は皮膚のように懐かしく、寄り添うと暖かい体温を発する。
1960 長野県に生まれる
1983 諏訪展30周年記念賞受賞
1984 多摩美術大学絵画科日本画専攻卒業1986、同大学院修了、セントラル日本画大賞展入選
1999 個展(銀座柴田悦子画廊)
2004 美島を描く(沖縄三越)
2009 喜笑遊美展(藤沢さいか屋)、万葉を描く(川崎さいか屋)
2012 個展(富士見高原のミュージアム)
その他全国各地でグループ展多数
杜の都・仙台ゆかり : ーーーー
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