山口健児
毎日見ているのに、ある時ふと気付かされる美しい光景がある。朝の光と映し出されたビルの無機的な骨組みの影の織りなす光景は、私にとってそんな一つだった。
一度気がついたら気になり、今日はどうかと仕事の合間に、毎日毎日眺めるようになった。
また、そんな美しい光景が見えたので、今日こそはしっかり目に焼き付けようと、しばらくじっと眺めていた。
でも、すぐに、なにかが欠けてしまったかのように、先ほどの美しさは消えてしまい、単なる光と影になってしまった。
目の前の美しい光景は、一瞬だけど、目の前だけでなく、心にも永遠に輝き続けるのが、天上に指す光なのかもしれない。
昨年、サントリーホールで歌った、フランスの作曲家ガブリエル・フォーレの「レクイエム」という合唱曲の練習の中で、合唱指導の先生から求められた、「ここのフレーズは”天上にさす光のような響き”で歌いましょう」という例えに繋がるイメージを、また探していたようだ。
山口健児
作家は日々生活する上で出会う情景に導かれるように画面に対峙し、立ち現れるイメージとの対話の中から制作してきた。画面に現出するものの節理に思いを馳せては対峙し、ひとつひとつ対話を重ね、深みを増していく。 この営為により物としての画材が次第に自然なものへと近づき、果ては神霊が宿るかのごとき存在に昇華されたとき、作品は完成をみる。こうして紡ぎ出される作品は、平穏かつ純粋で世の喧噪から切り離されたような暖かみと優しさを称えている。
1965 千葉県出身
1991 東京芸術大学美術学部日本画専攻卒業
【個展】
アートスペースコア、淡路町画廊、ギャラリー戸村、OギャラリーUP・S、ちばぎんアートギャラリー、ギャラリーなつか、Shonandai MY Gallery、K’s Gallery 、ギャラリーマーヤ、日仏会館、他多数
1992 第13回十美会日本画21世紀大賞展優秀賞
第3回臥龍桜日本画大賞展 入選
東京セントラル美術館'92日本画大賞展
1993 第11回 上野の森美術館大賞秀作展
日本新鋭作家展(船橋そごう美術画廊)
2006 「様々なニホン画」
2007 日本画選抜展HOPE
LINE ART 2007 (Gent, Belgium)
2008 あおぞらDEアート(泰明小学校・銀座)
2009 art salad展(SOHO art Gallery 大阪)
Gallery Den(Berlin・Germany)
TRANSNATINAL ART 2011
(Osaka Contemporary Art Centre.大阪)
2011 未来抽象芸術展(スペースゼロ・新宿)
2013 Nihonga Three-Person-Show
(在サンフランシスコ日本領事館)
杜の都・仙台ゆかり : ーーーー
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