小沼隆一郎
作家の言葉
作家の言葉 小沼隆一郎
「サイバースペース」シリーズについて
今や毎日の接続なしではありえないほど、私の生活にインターネットは不可欠のものとなっています。誰も見たことのない「サイバースペース」というテーマをどのように視覚化するか、すでに十年以上、リトグラフという版画技法にこだわって試行錯誤を重ねてきました。
当初はウィルスやサイバー・テロなどのインターネットのネガティヴな側面を批判的に表現してきたのですが、現在は人と人とを繋ぐネットワークとしてのポジティヴな側面にテーマを移して制作しています。「放出される光」とは、グローバルに連動し突発する一連の動きをあえて抽象的に表現しようと試みたものです。
リトグラフ(石版画)という技法は半透明のグラデーションを重ねて微妙な色彩を表現できるところが私は特に気に入っています。一枚一枚ローラーで力をこめてインクをのせ、リトプレス機で圧をかけるという作業を繰り返すことが、私の実存を証明する手段なのです。
版画家 小沼隆一郎
(2011年 ART FRAGMENTS 24号より)
今や毎日の接続なしではありえないほど、私の生活にインターネットは不可欠のものとなっています。誰も見たことのない「サイバースペース」というテーマをどのように視覚化するか、すでに十年以上、リトグラフという版画技法にこだわって試行錯誤を重ねてきました。
当初はウィルスやサイバー・テロなどのインターネットのネガティヴな側面を批判的に表現してきたのですが、現在は人と人とを繋ぐネットワークとしてのポジティヴな側面にテーマを移して制作しています。「放出される光」とは、グローバルに連動し突発する一連の動きをあえて抽象的に表現しようと試みたものです。
リトグラフ(石版画)という技法は半透明のグラデーションを重ねて微妙な色彩を表現できるところが私は特に気に入っています。一枚一枚ローラーで力をこめてインクをのせ、リトプレス機で圧をかけるという作業を繰り返すことが、私の実存を証明する手段なのです。
版画家 小沼隆一郎
(2011年 ART FRAGMENTS 24号より)
作家はここで紹介した「サイバースペース」シリーズの他にヨーロッパの都市風景を精緻に描き出す仕事も精力的に積み重ねている。細密で全く狂いの無い描写力、デッサン力は驚異的だ。その確かな技術の上に時に甘く、時に激しくさえ見える心象色を重ね、自在な表現を繰る。抽象的、バーチャルな世界にそのPOWERが向かったとき、それは一つの崇高な光景として観者の前に立ち現れるだろう。
1955 茨城県生まれ
1979 多摩美術大学大学院絵画専攻科修了
パリ エコール・デ・ボザールにてリトグラフ研修、ライプツィヒ印刷製本大学(ドイツ)にてリトグラフ研修
国内外の画廊・百貨店でグループ展、個展多数開催
■コレクション
パリ国立図書館、エコール・デ・ボザール、レスデン国立絵画館(版画素描収集室)、ライプツィヒ市立美術館、ライプツィヒ印刷製本大学、町田国際版画美術館、武蔵野美術大学、多摩美術大学
杜の都・仙台ゆかり : ーーーー
☆ 表示価格は税込額付きです。
☆ 納期は入金確認後のめやすです。